弁護士コラム

【弁護士コラム】人身事故の罰金とその他の処分

2024.09.03
【弁護士コラム】人身事故の罰金とその他の処分

交通事故は突然起こり、事故後には迅速かつ適切な行動が重要となります。兵庫県尼崎市の清藤法律事務所では、こちらのブログを通じて、交通事故に遭遇した際に直面するかもしれない様々なお悩みや疑問に対して、役立つ情報を提供します。

事故直後の行動から、保険会社との対応、示談金、後遺障害等級認定など、交通事故の各種問題について専門家である弁護士が解説します。

今回のブログでは“人身事故の罰金とその他の処分”に関する解説を行います。

人身事故の法的責任

交通事故で人身事故を起こした場合、加害者には主に3つの法的責任が生じます。これらは刑事責任、行政上の責任、民事責任と呼ばれ、それぞれ異なる性質を持っています。

刑事責任

刑事責任は、法律違反に対する国家からの制裁です。人身事故の場合、主に道路交通法や自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)に基づいて処罰されます。

刑事責任の主な内容は以下の通りです。

  • 懲役刑:刑事施設に収容され、作業に従事させられます
  • 禁錮刑:刑事施設に収容されますが、作業は義務付けられません
  • 罰金刑:一定額の金銭を国庫に納付する刑罰です

罰金の目安は、被害者の怪我の程度や加害者の過失の度合いによって異なりますが、一般的に以下のような基準があります。

  • 軽傷事故(全治15日未満):12万円~20万円
  • 中程度の怪我(全治15日以上30日未満):15万円~30万円
  • 重傷事故(全治30日以上3ヶ月未満):20万円~50万円
  • 重大な後遺症が残る事故:30万円~50万円

ただし、これはあくまで目安であり、実際の罰金額は個々の事案によって異なる可能性があります。

行政上の責任

行政上の責任は、主に運転免許に関する処分として現れます。具体的には、免許の停止や取り消しなどがあります。

免許停止

一定期間、運転が禁止されます。期間は違反点数や前歴によって30日から180日まで様々です。

免許取り消し

運転免許が完全に失効します。再取得には一定期間(1年から3年)の欠格期間があり、その後改めて試験を受ける必要があります。

これらの処分は、事故の重大性や過去の違反歴などを考慮して決定されます。

民事責任

民事責任は、被害者に対する損害賠償義務です。交通事故による損害を金銭的に補償する責任があります。

賠償の対象となる主な項目は以下の通りです。

  • 治療費:医療費、薬代など
  • 休業損害:事故による休業で失った収入
  • 慰謝料:精神的苦痛に対する賠償
  • 後遺障害による逸失利益:将来の収入減少に対する補償

賠償金の具体的な金額は、被害の程度や被害者の年齢、収入などによって大きく異なります。軽症の場合で数十万円から数百万円、重症や死亡事故の場合は数千万円から1億円を超えることもあります。

注意点と対処法

人身事故を起こした場合、以下の点に注意が必要です。

現場から逃げない

ひき逃げは重大な犯罪です。必ず現場に留まり、救護と通報を行ってください。

適切な初期対応

負傷者の救護、警察への通報、現場の保全などを迅速に行います。

保険会社への連絡

加入している自動車保険会社にも速やかに連絡し、対応について相談しましょう。

証拠の保全

現場の写真や目撃者の連絡先など、後の交渉や裁判で役立つ証拠を可能な限り収集しておきます。

弁護士への相談

できるだけ早い段階で交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

早めに弁護士に相談

早めに弁護士に相談

交通事故、特に人身事故に関わる法的問題は複雑で、専門的な知識が必要です。不安や疑問がある場合は、早めに弁護士に相談することをお勧めします。当事務所では、交通事故に関する様々なご相談に対応しております。お気軽にご連絡ください。

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